【CHILL OUT SESSION vol.2】草田一駿/Kazooshi(Pianist/Composer)×YU-KI(Dancer)

CHILL OUT SESSION vol.2 草田一駿/Kazooshi(Pianist/Composer)×YU-KI(Dancer)
異なるカルチャーシーンで活躍する二名がチルタイムを共有し、お互いのカルチャーや人としての共通点を探す対談企画。リラックスした空間でコミュニケーションを深め、カルチャーの融合、新たなクリエイティブの創出を目指す。

第2弾の今回は、ピアニスト/作曲家の草田一駿(Kazoosh)とダンサーのYU-KIの2人を迎え、お互いの共通点、また異なる点を探ってもらった。容姿も性格も所属するカルチャーも全く異なる2人だが、そこで見つかった共通点そしてそんな2人の対談だからこそ引き出されたそれぞれの言葉はとても興味深い。


草田一駿/Kazooshi(20)
ピアニスト、作曲家。5歳よりピアノを始め、13歳頃からジャズやロック等に開眼し同時に作曲も始める。今夏にはFUJI ROCK FESTIVAL’20 “ROOKIE A GO-GO”に出演を果たし、その才能溢れる演奏が話題となった。先日3rd single『Peak』をリリース。

Seiko Summer Jazz Camp 2016 Best Composition and Arrangement Award 受賞。
2019年、映画「ライオンキング」のオフィシャルソングを担当した同い年のR&BシンガーRIRIと共演。
FUJI ROCK FESTIVAL’20 “ROOKIE A GO-GO”出演

草田一駿/Kazooshiのインタビュー記事はこちら

YU-KI(22)
ダンサー。日本を代表するダンスクルーGANMIに所属。若くして多くのダンスレッスンを持ち、様々なダンスイベントにゲスト出演をするなど精力的に活動中。HIP HOPメディア “EAST LONG CAPE” を主宰し、アパレルや楽曲のプロデュースも行っている。

2016 アメリカ・ロサンゼルスで開催された『VIBE DANCE COMPETITION XXI』にて日本チーム初の優勝

GANMI official website https://ganmiofficial.com/
EAST LONG CAPE official website https://eastlongcape.official.ec/

YU-KIが同じくGANMIのメンバーであるkooouyaとともに手掛けるイベント『F.A.D』についてのインタビュー記事はこちら


草田 今回お呼びしたのは、ダンサー・ピアニストという一見違ったカルチャーの最先端でご活躍されているお二人です。異なるカルチャーを代表するお二人にチルタイムを共有して頂き、お互いのカルチャーや人としての共通点を探して頂きます。コミュニケーションを深めセッションすることで、カルチャーの融合、新たなクリエイティブの創出を目指す企画です。

YU-KI はい。(笑) これ読んで感想言って下さいって言われたけど、何言えばいいんだ?(笑) もうただ話したい。めちゃくちゃ話したいね。

草田 そうですね!(笑)

 ――まず草田さんのパフォーマンスを見て頂きます。

YU-KI いやー、いいね。これあれだよね、出してる曲だよね。いつからやってるの?

草田 ピアノ自体は、クラシックが5歳くらいからで、他のいろんなジャンル弾き始めたのが13歳とかです。

YU-KI へぇ~、『のだめカンタービレ』とか好き?

草田 あーー、もう、大好きです(笑)

YU-KI やっぱそうかー!(笑)

 ――草田さんの現在の活動について。

草田 今自分は、大学に通いながら音楽活動をフリーでやってるんですけど、ほんとに色んな人たちとのご縁がありながらここまで来れたって感じです。

YU-KI フジロックすごいよね。

草田 そうですね、嬉しかったです。前回は新人枠の部門で出たんですけど、一緒に出た6組の中から投票で一位になれれば、来年フジロックのステージに出れるんです。

YU-KI え、じゃあまだ投票期間自体は終わってないの?

草田 昨日、投票期間が終わって。

YU-KI あ、じゃあ集計待ちってこと?

草田 そうです。

YU-KI くーーーーーー、気が気じゃないね。

草田 そうなんですよ(笑)

 ――次にYU-KIさんのパフォーマンスを見て頂きます。

YU-KI 自分は小4の頃からダンスしてて、今はGANMIっていうクルーに入ってるのね。で、これは自分が一ダンサーとして一番きっかけになったLAのコンテストの動画。俺は、高三の時に先輩の紹介で、GANMIに創設メンバーとして入った。で、この日本一になったらLAで踊れるコンテストがあるって聞いて、よっしゃやったろうって感じで挑戦したらLAでも優勝して世界一になれたんだよね。

草田 うぉーー。自分はあまりダンスに触れる機会が無くて、切り口もわからないんですけど、でもちゃんとストーリー性とかもあるんですね。おもしろい。

 ――YU-KIさんの現在の活動について。

YU-KI 俺はガキの頃からずっとHIPHOPダンスをやってたんだけど、意外とGANMIはダンスのジャンルとしてはHIPHOPは遠くて。でも、今のGANMIはメンバーがそれぞれ全く違うことやってても集まったらGANMIになるっていう戦隊ものみたいな意識だから、俺はすごい居やすいし好きなことやりやすい。
 で、20歳頃かな。すごい必死にダンスやってた時に、HIPHOPが好きな、ダンスはやってないカメラマンの人に出会って。その人の方がカルチャーだったり音楽に深くて、その事実に衝撃を受けたというか。自分HIPHOPめっちゃ好きで、自分がやってるのはHIPHOPって思ってるのに、全然何もわかってないなと思ったんだよね。そもそもHIPHOP=ダンスじゃないし、=MC、=DJでもなくて、なんなら「女の子にモテたい」だけ。女の子にも男の子にも「かっけぇ」って言われるようにやるのがHIPHOPだと思ってる。
 だからそれで今は、自分のブランドを立ち上げて、服とか作ったり、音楽制作をプロデュースしたりしてて。俺は絵も描くんだけど、絵一つ一つに意味を持たせたりしてるから、それを伝えて歌詞を書いてもらったり、トラックを作ってもらったり。毎年そのブランドでポップアップを開いてるんだけど、これがその映像。今俺はこれを主軸として、大きくしていきたいと思ってる。

草田 うわぁー、めっちゃいいなぁ。めちゃくちゃクラフトワークですね。一つ一つに“愛”を感じる。

 ――ここまでお互いの話を聞いて、気になることなどありますか?

草田 GANMIっていうのは、言葉が悪いかもなんですけど、割と“寄せ集め”みたいな感じですか?

YU-KI そうだねー。寄せ集めではあると思う。でも、正直、寄せ集めすぎてないかなというか、どちらかというと悪い意味で。もっといる。全世界的にも、日本だけでも、まず東京だけでも色んなシーンのダンサーがいる。ただ、ダンサー全体的に、というか、ダンスというカルチャーそのものの認知度は常々低い。

草田 あぁー、それは僕も感じます。JAZZも他のジャンルと比べると、認知度が高いわけではないし市場も小さいし。

YU-KI えー、そうなんだ。自分たちダンサーは、音楽ありきだし、服ありきだし、恰好ありきであるからこそ、やっぱりダンスというものが他のアーティストの人たちには勝ててない気がする。だけど、ダンサーってなぜかダンスというシーンだけに固執しがち。他のアーティストの人たちって、それだけに見えて他のこと色々やってたりとか、自分のシーンを引っ張るために積極的に他のカルチャーと交わりに行ってる気がするんだけど、ダンサーはそこが弱いんだよね。それを変えたい!ってわけでは別にないんだけど、それが原因で音楽に対してのリスペクトが浅くなったりはしてると思う。「踊るために聴く音楽」ばっかのなのよ。「聴いてる音楽で踊れ」ばいいわけじゃん。踊るためにそれを聴くんじゃなくてさ。そこがダンスシーンは弱いって感じるかな。
 なんか「音楽」について考えてることとかある?

草田 そうですね、音楽って目に見えるものではないので。やっぱり人間って視覚の情報に頼りがちじゃないですか。だからこそ音楽はもっと抽象的というか。すごく人の心そのものに直結するみたいなイメージを自分は持ってます。

 ――音の聴き方の違いについていかがですか?

YU-KI むっずいよね。自分たちはこれだと思って聴いてるからさ、具体的に何が違うんだろう?

草田 ダンサーさんとかはリズムだったりビートとかを重視して聴いてる人が多いんじゃないかなっていうイメージはあります。

YU-KI あぁー、たしかに。でも俺は意識してはないかな。どちらかというと起承転結がある音楽だったりとか。例えば、ショーケース作るときも一曲だけで踊ることは少なくて何曲かを重ねるんだけど、その時も起承転結があるようにしたいとは思ってる。まぁでもビートを取るのは好き、実際。
 結構ビートとかって意識するの?

草田 僕はしますね。すごい必須条件というか。それがなかったら音楽自体生まれないし。

YU-KI あー、そうなんだ。ビートとかを意識するっていうのはさ、拍数とかタイミングとしてなのかな。俺の偏見なんだけど、ピアノってメロディーラインだよね。だから詰まってても遅れててもそれは自由なのかなっていうか、意外とビートとかと隔絶してるのかなとか思って。

草田 うんうん。でも絶対に4ビートなら4ビートっていう、自分の中に核となるものはありますね。それにピアニストはハーモニーを加えていく意識というか。横軸がビートだったりリズムだったりしたら、縦軸が彩りというか。

YU-KI あーー、なるほどね! 縦軸って意識なんだ。

草田 そうですね、みたいな感じですね。で、そこに僕は色だったりが見えたりするので、その彩りみたいなところはビートと同じように重視してる部分ではありますね。

YU-KI へぇー!じゃあ、ビートの質とかにも自分の色とかを合わせたりする?

草田 あぁー、全然しますね。このビートだったらこういうサウンド、とか。

YU-KI これっぽいなってのを合わせたり、あえてずらしてみたりとか?

草田 も、ありますね。

YU-KI  へぇー!おもろ!!

 ――パフォーマンスするにあたってオーディエンスに伝えたいことや意識することは?

草田 たぶんこれはパフォーマンス全般に共通することだと思うんですけど、やっぱり「上手いか上手くないか」で見られている部分もすごいあるなって感じてて、でもそういう単純な思考ではなくて、例えばこういう色が見えたとか、こういう情景が見えたとか、こういうストーリーが聞こえたとか、それでそういったものを自分の経験に重ねてもいいし、そういう彩りが深くなるようなものを伝えられたらいいなとは思いますね。

YU-KI たしかに。そうかもね。俺も「上手いか上手くないか」は大事だと思う。ただダンスって、やってない人には「上手いか上手くないか」で伝わらないんだよね。だから、これは自己解決でもあるかもしれないんだけど、やっぱり「かっこいい」って思われたい。だから、スキル方面に流れすぎてそこを見失うことだけは嫌だなと思ってる。もちろんスキルを磨くのは大前提なんだけど、それがかっこいいって言われるか、かっこ悪いって言われるかをめちゃくちゃ研究したい。
 ただ感じ取ってもらえるかが超難しいこともわかってる。言ったら、伝わらなくてもいいやって思ってるぐらい。でもだからこそ横柄で嘘でもいいから、俺はあえて「自分がやってることは全部かっこいい」って言うようにしてる。それが背伸びかもしれないし、まだ自分がそこに到達していなかったとしてもそれは言うように意識してるかな。

 ――自分の魅せ方で意識していることは?

草田 やっぱり僕はピアニストだけとしては見られたくないなと思ってて。音楽家でありたいなと。

YU-KI へぇー。よかった、なんか嬉しいわその言葉。なんで嬉しいのかわからんけど。

草田 やっぱり自分の作品を自分のクラフトワークで作っていくことにすごい生きがいを感じているし。作品ってすごい僕にとって「子ども」だから、それをこれから何年も愛していきたいなって思います。作曲だったり、ピアノだったり、ビートメイクだったり、やりたいことはいっぱいあるので。

YU-KI へぇー、そうなんだ! 俺が魅せ方で意識していることは、さっきも言った通り、「伝わるか伝わらないかのレスポンス待ち」は俺の中では意識してない。俺はもう自分がやってることは永遠に身内ネタで良いと思ってて。外に伝える意識をした瞬間に、外向けになって俺が身内を意識できなくなったら終わりだなと思ってるんだよね。もちろん、俺は身内を意識してやってるけど、それが自然と外に伝わって「あそこイケてんなー、入りたいな」って来てくれるのは全然いい。だけど、俺自身は外向きの矢印は向けてない。

草田 なるほど。普通の人たちに阿すぎないようにというか。

YU-KI そうそう。なんかこだわりづらくなっちゃうんだよね。だから自分の身の回りのやつらに「かっけぇ」って言ってもらえるようにってのを一番意識してるかな。

 ――チームで活動することと個人で活動することについて、それぞれの違いや意義などはありますか?

草田 そうですね。僕としては今の段階だと、人と音楽を作ったりするのがすごく楽しくて。絶対一人じゃ湧き上がってこないものというのがあるし。なんですけど、やっぱりごくたまには自分自身との対話みたいな部分もやらないといけないなっていうのは思ってます。

YU-KI あーー、わかる!「やらないといけないな」って感覚すごいわかる。

草田 そう。それも好きだし、それに時を経ていくうちにそこに重みみたいなものが生まれてくるとも思うので。

YU-KI ルーティーンとして作っておきたいよね、自分の時間って。無いと濁る気がしない?

草田 誰かが言ってたんですけど、「独創的であるには一人の時間がないと絶対だめだ」っていうのを聞いたことがあって。だから絶対にそういう時間を作るというのは意識しています。

YU-KI なんか俺はね、そもそも自分の得意分野がダンスだとは思っていなくて。俺が得意なのは、白紙を机に広げて「これやりたい!」って書くことだけ。でもそれはみんながいてくれないとできないのよ。人によってそいつの得意を見て、経理を任せたりとか、一緒にパフォーマンスしてもらったりとか。そういうのを組み立てていくのが好きだったり得意だったりする。だから俺は「周り」っていうのが意識として強い
 あと意識としてもう一つ強いのが、「1でも10でも“個”である」ということ。10人でもその集まり方によっては1個人になれると思ってるから、個人とチームの境目みたいなのはあんまり俺の中にはないかな。だからさっき言ってた「自分との対話」ぐらいかな。
 だって何事もやらせてもらってるって言ったら全部そうじゃん。その感覚が無くなったら終わりだよね。

 ――お互いのカルチャーの共通項や違いについて教えてください。

YU-KI そもそも音楽ってもので繋がってるから、そこに対するリスペクトが深かったら、結構一緒な部分が多いなって思ったかな。
 ピアノ教えたりとかはしてるの?

草田 いや教えてはないです。全然教えられる立場じゃないので。

YU-KI なるほど、そうか。俺は18歳からレッスン持たせてもらってて、踊りの現場ではレッスンが収入面で主軸なの。だから、教え子とか後輩とか、俺は下に対する意識が強いんだよね。そこがシーンとして結構違うところだと思ってて。ダンスシーンていうのがそもそも特殊なんだけど、ダンスオンリーでタレントとして生きていける世界じゃないからさ、俺もそうだけどレッスンとか教える場が若くして用意されちゃうの。一ダンサー個人っていうものを優遇できる環境がダンスシーンにはないのね。だから繋がってないといけなかったりもする。

草田 なるほど。ピアノの世界だと、自分なりの世界を持っていれば個人のタレントで生きていくことは可能だと思うんですけど、影響という面では絶対シーンの中での繋がりみたいなのは重要だとは思います。

 ――カルチャーシーンで生きていく難しさについてはどのように考えていますか?

草田 才能のある人たちはほんの一握りだし、それによって支えられてる部分もあって。やっぱりその中で生きていくには、ニッチな場所を探さないといけないというか。なんかほんとに先に唾つけた方が勝ちみたいなところはあるから、そこが大変だなぁとは思います。競争社会だから。

YU-KI それ根本的だよね、その通りだと思う。超いいと思う。ダンス違うんだよ。

草田 え、そうなんですか?

YU-KI そう、ダンスは上のやってることに沿えればいいの。違うのがいいわけじゃないの。例えばスキルがただすごいだけとか、それでも違いがなきゃいけないじゃん普通は。音楽の使い方とか服装とか。意外とダンスシーンないのよ。それがゴミ。あ、ゴミとか言っちゃった(笑)

草田 えー、そうなんですね。やっぱりユニークでなきゃいけないっていうのが音楽にはあるから。その住み分けというか、領地のぶん取り合いというか。

YU-KI いや超いいと思う。それが本来だと思うよ。

草田 でもそれで関係性が悪くなったりしたらすごい嫌だし。

YU-KI そんなもんだよ(笑)

 ――個性がダンスシーンで求められない理由は?

YU-KI 伝統が無いからだろうね。無いからこそ、伝統に縛ろうとしちゃってるんじゃないかな。浅いから、ダンスって。4,50年の話。本来の「踊り」で言ったら、たぶん人間が生まれたくらいからあるんだと思うんだけど、ストリートダンスっていうものをジャンルとして定義したときにそうなってくるんだろうね。そこでストリートダンスシーンが、「踊り」っていう伝統文化観とは自分らは違うと思っちゃってるんだろうな。それが俺はキモいなって思う。なんかそこが交わってもっと大きくなったら、伝統という枷が外れるような気がしてる。ストリートダンスはまだまだ浅い。だから音楽に対してのリスペクトも低いんだと思う。だからダンスだけで、上のやってる踊り方だったりをうまくできる子たちが評価されるんだと思う。音楽これを知ってるからっていうのは評価されない。

 ――ジャズシーンにおける伝統や歴史との関わり方は?

草田 ジャズはできてからだいたい100年くらいなんですけど、やっぱり今そのジャズのレジェンドたちがだんだん亡くなってきてて、生きてる人たちでも80とかそんな感じなので、転換期みたいな感じもします。もちろん絶対伝統的な部分は踏んでなきゃいけないと思ってるし、それありきというか。やっぱり型が無いと型破りにはなれないから。それを重んじた上で、自分の好きな他のジャンルとかをどう要素として足していくかみたいなところを考えてます。でもやっぱり、YouTubeとかストリーミングとかのおかげで距離が近くなってきたと思うので、これからどうなっていくのかなっていう楽しみでもあり怖さもありって感じですね。だんだん一つに統合されていくのか、またそこで別の新しいものが生まれるのか。

YU-KI そうだね。永遠かもね、それがね。

 ――チルな時間とは?

YU-KI でも結構いっぱいあるよね。チルな時間って一個ではない気がする俺は。

草田 そうですね。僕は何も活動していないというか、周りで聞こえる音も環境音だけみたいな、言ったら「静寂」の時間がチルかもしれないですね。結構チルって自分にとってはセンチメンタルな時間で。「あー、俺何やってるんだろう」って考えるのも人生において大事だと思うし、自分にとってのチルはそれですね。

YU-KI へぇー、じゃあほんとに0%の時なんだ。

草田 なんかやっぱり普段は作ってる自分があるし、裸な自分というか。何もしていない、何の音もしない、何も見ていないみたいな時間がチルかなって思います。

YU-KI あー、なるほどね。俺は100%で動いた後の終わりの10%もチルに感じるかも。ダァーって働いて、ハァってなって、フーってタバコ吸う時間。

 ――作曲するにあたってもやっぱりそういう時間は大事ですか?

草田 そうですね。ピアノとおしゃべりじゃないですけど、ちょっと弾いたりして「あぁそうなんだ」みたいなのはあります。

YU-KI えっ!それは返ってくるの?ピアノから。

草田 あー、まだ技量的に経験的に足りてない部分があるので、まだ自分の感覚が残ってるなっていうのはあるんですけど、徐々に徐々に時間を経て、ピアノが勝手に依り代になってくれたらいいなとは思ってます。そこには自我が無く

YU-KI はぁーー、すごいね。

草田 それが理想ですね。

 ――パフォーマンスの際自分に問いかけることはありますか?

草田 アドリブの時とかは「いやちげぇーんだよな、こうじゃねぇーんだよな」みたいなのは全然ありますね。

YU-KI 俺は問いかけることはないかなー。

草田 「なんでこうやって弾けないんだよ」って思います。頭の中では鳴ってるのに手が言うこと聞いてくれないみたいな。でも逆に、頭の中では鳴ってないけど手が勝手に動いてくれることもあったりして。

YU-KI 突発的に出るかもね。「それダサいよ」って。自分が踊ってることに対して。でも結局その場では収拾つかないかなー。

草田 なるほど。踊ってるときって、自分が二人いたりしますか?踊ってる自分と観客としての自分。

YU-KI あーー、俺はいないかな。俯瞰したことは正直ない。パフォーマンスするときは全てが出来上がってる意識だから、その瞬間に自分自身を見ようとしたことはないかなー。
 いる?

草田 んーなんか、自己分裂しかけてる段階です。最終的には観客側で自分を見てる自分がいたらいいなと思っているんですけど。ジャズのレジェンドたちがなぜ麻薬だったりをやっていたかって言うと、やっぱりクスリをやることによってもう一人の自分が外から弾いている自分を見れるようになるっていう感覚を手に入れたかったからで。でも僕はそれに頼りたくはないし、自分の能力でできるようになりたいですね。主観と客観のバランスというか。

YU-KI へぇー!なるほど。

 ――将来像について

草田 僕はやっぱり主には海外を中心に活動したくて、海外のレーベルだったりから自分の作品をリリースできたらいいなというのが目標としてあります。

YU-KI 俺はね、ガキの頃から未来設計大好きで。高卒なのも俺一人っ子で片親なんだけど、もちろん一番返したいのは親でそれは必須ではある。で、結論から話すと、自分の身の回りにいる連中がずっと俺から離れてほしくない。そして自分らがやってる活動で、永遠にその輪がほつれないように繋がっていたいっていう意識があって。そこから俺の最終ゴールとしては自分がやってる動きをレーベルにしたいと思ってる。そしたらその各々を守れるから。それぞれの得意分野を活かす仕事についてもらえるし、離れたくないのに離れなきゃいけないっていうことがなくなる。
 最終的な目標はそこなんだけど、近い将来だと、再来年以降くらいに俺は服の店を出したいと思ってる。で、そこを拠点にすればそこで自分たちのパーティーも開けるし、内装外装をイケさせれば写真とかもそこで永遠に撮れる。
 で、自分個人のアーティストとしての将来像としては、「かっこいい」って言われたいんだったら周りを気にせずに突き抜ける必要しかない。それは大前提だからあえて自分の将来像としては置いてないかな。

草田 すごいなんか社長さん気質というか、みんなを束にまとめて引っ張っていく力がすごい強いんだなって感じます。僕はどこか一匹狼的なところがあるんですよね。なんか最近すごい自分に問いかけてるんですけど、結局は他人を信用していない部分があるのかなって思ってて。やっぱりくっついては離れっていうのが無きにしも非ずと思うというか。だからそこから自由になりたいというのはすごいあります。

YU-KI うんうん、悪いことではないと思う。ただ離れることが怖いんだよね。

草田 そうそうそう。そうなんですよね。

YU-KI だから、身の回りのやつらはそれでいいと思うし、俺と一緒に輪を紡いでるやつらが輪のために手を伸ばしている必要はないんじゃないかなと思ってて。全然手を伸ばしてなくても輪にいればいいし。だからなんかその、勝手に信じてるだけかな。離れたら離れたで。俺はね、これはほんと俺はの話。「来る者拒まず去る者追わず」って言うけど、俺は「来る者拒まず去るもの見る」追いはしないけどめっちゃ見る。俺だけはそうしていたい。

草田 やばい、すごい泣いちゃいそう(笑) 心に来ます。

 ――ストリートダンス×ジャズピアノの可能性について考えてください。

草田 やっぱりやってみないとわからない(笑)

YU-KI 間違いない(笑) 俺もジャズピアノオンリーで踊ることなんてそもそもないからさ。複合してるトラックでしか踊らないから。楽しいんだとは思うけどね。まぁやってみないことにはね。

草田 やっぱりダンサーさんって音を動きで表現するというか、手の動かし方とか足の動かし方で一種の気配というか波みたいなものを表現できるから、その動きに沿えるような音のチョイスだったりができたらなとは思います。

YU-KI おー、楽しみ!まぁ実際やってみるしかないんでやりましょうか。

草田 そうですね!

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構成 Nozomi Tanaka
撮影 Shun Kawahara, Charlie Ohno

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