ダンスに向き合い努力する”美しい人間”を評価し世の中に発信する女性ダンサーのための大会、Miss College Dancer 2020。
今回CUTは2020年というタイミングで大きな進化を遂げようとするこのイベントのサポートメディアとなり、その第一弾としてオーガナイザーの2人にイベントに懸ける想いや経緯に迫る。

──簡単な自己紹介をお願いします。
YUI 立教大学、TONYGOGO FAMILY・Revetyをレペゼンしています、東京六大学ストリートダンス連盟(以下弊連盟という)の六代目代表YUI です。弊連盟は、東京六大学の各大学から1名ずつ幹部が集まっており、私は立教大学の幹部を務めています。
各幹部がそれぞれ事業を担っており、私はダンサーのミスコンテストである『Miss College Dancer』を担当しています。よろしくお願いいたします。

EISUKE 慶應義塾大学でdance crew es・Sense of Wonderをレペゼンしています、東京六大学ストリートダンス連盟幹部のEISUKEです。僕が担当しているイベントはstay dancing*っていう以前行われたオンラインイベントでして、本日はMiss College Dancerの新企画の担当者として来ています。お願いします。
*コロナ禍の影響によるダンス早慶戦中止を受けて、東京六大学ストリートダンス連盟が開催した新オンラインイベント。

──今回はCUTとしてサポートさせていただくMiss College Dancer 2020についてお聞きしたいのですが、まずミスカレッジダンサーとはなんなのでしょうか?
YUI 一言で言うと、「ダンサーによるダンサーのためのミスコンテスト」です。ダンスに一生懸命向き合い努力する美しい女性を評価し、彼女たちの頑張りを可視化して世の中にPRしようといったコンセプトの大会となっています。
──始めた経緯を教えてください。
YUI Miss College Dancerは今年で6回目のイベントです。六大学として早慶戦(ストリートダンス早慶戦)・六大学リーグ東京六大学ストリートダンスリーグ)・ミスカレ(Miss College Dancer)・全日本(全日本大学ストリートダンス選手権)という4つのイベントを年間を通して行っているのですが、早慶戦と六大学と全日本は主にバトルコンテンツがメインのイベントで。そんな中で唯一ミスカレッジダンサーは女の子がメインターゲットのイベントなんです。
男の子って結構バトラーの人口が多いと思っていて、練習したものをすぐアウトプットとして落とせたり、目に見える評価を受けやすい機会があると思います。それに対して、サークルに所属している学生の女の子(特に女ジャンル)でバトルに出る子って少ない印象があります。ただバトルに出ないからと言ってダンスを頑張っていないわけではなく、サー クルショーや外部での活動、自己成長に向けた自主練習など自分と深く向き合いダンスを頑張っている子はたくさんいます。 そんな皆の努力をもっと可視化して見てもらいたい、みんなが更に頑張るきっかけになるような、評価してもら えるような場を提供したいというのがMiss College Dancerを始めた経緯ですね。
──コンテストの詳細や流れについて教えてください。
YUI 9月1日から約1ヶ月間にわたり行われるセミファイナル期間、そして10月からファイナルの12月6日までの約2ヶ月間行われるファイナル期間を合わせた約3ヶ月間がMiss College Dancerの開催期間となります。7月末に行われた書類選考を通過した75名のセミファイナリストが、9月の約1ヶ月間、10月以降のファイナルに進める30名に残るために争います。 セミファイナルの評価指標はInstagramでの自己発信から測る『応援されてる度』と、プロダンサーによるレッスン指導から測る『ダンスに対する努力量』です。
10月からのファイナル期間での評価指標は、セミファイナルに引き続きInstagramと、12月6日のファイナル当日に披露する作品作り、そして当日投票の3点となります。
作品作りではいかに自分らしさを出せているかが評価基準になります。
──評価基準に「ダンスに対する努力量」や「自分らしさ」が加わるなど、今年から内容がガラッと変わる印象ですが、何か課題点はありましたか?
YUI 2点ほどあります。
1点目は、ミス個人の人間としての成長をより多くの人に見てもらいたい一方で、出場サークル以外からの認知がなく、規模感が小さいことです。
2点目は、やはり一般的なミスコンテストって 容姿端麗だったり、外見主義的なイメージがあるじゃないですか。その点で、イベントに対する敷居の高さがありました。
──どのような変更を行なったのでしょうか?
YUI 外見や容姿ではなく、より出場者の成長や自分らしさにフォーカスしたコンセプトに変更しました。自分という軸を持った上でなりたい姿に向かって成長していく姿にフォーカスすることで、彼女達が自分らしく変化できるようなイベントを目指しています。このことで敷居も下がって、エントリー人数がすごく増えましたね。今年は六大学だけでなく関東全域で開催していて。例年と比較して17倍くらいの規模の拡張をおこなってます。
EISUKE 例年10人程度の参加者から169人というエントリーの拡大ができた理由としては、コンセプトに共感してくれたというところが大きいです。ミスコンってやっぱり容姿だったり自分に自信がある人たちが出るイメージがずっとあって。僕自身もそうだったんですけど、実際例年のミスカレ参加者に話を聞くと結果的に自信を持っただけだったんですよね。彼女たちは全然自分に自信はないし、それまでの経歴も華やかなものじゃなかったんです。そんな子たちが自分を変えるためにミスカレに挑戦していたってことが分かって。
ミスカレっていうのは高い挑戦だし、大変なのは目に見えてるんだけど、優勝するためにはどうしたらいいか、応援されるためにはどうすればいいのか、って考えるときに自分と向き合うんですよね。そうやって自分のいいところを見つけて変わっていった経験の一つ一つが自分の自信につながっていって、結果的に僕たちには自信のあるように見えていたんです。そういった話を候補者に伝えると共感してくれて結果的に規模の拡大に繋がりましたね。

──それでは実際にCUTがコラボする新企画の話を聞いていきたいのですが、企画概要と狙いなどを簡単にお願いします。
EISUKEはい。新しい企画として「Miss College Dancer 2020」という番組を作ります。さっきも言ったように、例年ミスの葛藤みたいなところは伝えきれてなくて。ていうのもいままではミスと世間とのコミュニケーションはミス自身が運営するインスタグラムだけだったんですよね。ってなると自分のかっこいい部分やキラキラしてるものしか写せないと。だからこそ、ミスが自分で発信しきれない彼女達の葛藤や成長という部分を番組として発信しようという狙いがあります。なので視聴者に伝えたいことを簡潔にいうと「今ミス達は結構大変なことしてるんだよ」っていうことですね。
──なるほど。私たち側としても、メディアのコンセプトである”イケてる”ってなんだろうという疑問や一人ひとりの人生にフォーカスするメディアとして、相性が良いと考えたので是非協力させていただきたいです。

──番組の具体的な流れや内容について教えてください。
EISUKE 9月4話放送を想定していて、最後の一回はライブ放送をします。内容はイメージとして近いのがAKBのオーディション番組やNiziUの番組などのドキュメンタリー式のコンテンツです。
YUI 具体的な内容としては、今年からプロダンサーによるダンス指導というコンテンツがありまして、そこでの挫折や成長をカメラに収めるといったものです。自分がやったことのないジャンルへの挑戦を通して、ミスが高い壁を乗り越えて成長していく姿を見ていただきたいですね。
──どんな人たちに見てほしいですか?
EISUKE一番見て欲しいのは普通の女子ダンサーですね。今回出てるミス達って本当に何も特別な子はいなくて。みんな本当に普通の女の子達なんです。違うところで言うと普通の女の子なんだけど、「殻を破ろうとしている女の子」ということ。もし、ダンサーの女の子の中で、人間的にもダンサー的にも殻を破りたいけど破れないみたいな人たちがいたら、番組を見て、番組内で変わろうとしている普通の女の子達を見て、頑張るきっかけになったら嬉しいですね。
──YUIさんは以前ダンサーとして取り上げさせていただきました*。最後に1女性ダンサーとして、Miss College Dancer 2020にかける思いを教えてください。
*詳しくはhttps://cultureuniversitytokyo.com/2020/05/17/personalfiledanceryui/をチェック。
YUI 私も昔からダンスを長くやってるということもあり、女性ダンサーとして色々な葛藤がありました。あくまで個人的な見解ですが、女の子として、男の子に勝てない部分はあるなっていうことを昔から感じていました。例えばパワー。lock danceってパワーが大切な技術も多くて。私個人は男の子に勝てない部分だなと感じていたんですよね。そんなときに何を自分の強みにしたらいいんだろうって考えていました。
同じように、バトルで男の子が目に見える活躍をしている一方で、すごく頑張ってるけどなかなか評価されなかったり、なんのために頑張ってるんだろうって考えちゃう女の子って絶対いると思っていて。そんな女の子たちに対して何か自分の殻を破りたいって思ったりだとか、自分の強みみたいなものを見つけられるいい機会になったらいいなと考えています。ミスのみんなが全力で挑める環境を作りたいですし、このイベントを開催することは私にとっても大きな挑戦なので、本気で向き合い良い大会を作れるよう運営一同頑張りますので、応援お願いします!
──ありがとうございました。

取材・構成 Shun Kawahara
撮影 Charlie Ohno
“【FEATURED】【INTERVIEW】東京六大学ストリートダンス連盟YUI・EISUKEが手掛ける、新しい”Miss College Dancer 2020”” への1件の返信