【FEATURED】次世代ラップクイーンMFSが4/1に1stEP『FREAKY』をリリース。新MVも公開。|「0の状態から、さらけ出す」

大阪を拠点に活動するHIP HOPクルーJoinz Familyの秘密兵器、MFSが待望の1st EP 『FREAKY』をリリース。
唯一無二で強烈なキャラクターから放たれるキャッチーなリリックと、ブラックミュージックやダンスをバックグラウンドにもつ彼女ならではの踊らせるフロウで、ラップ歴1年半、わずか2曲の配信リリースながらすでに多くのHIP HOPヘッズに支持されており、2021年のネクストブレイクラッパーとして数々のメディアに取り上げられている。
そんな大きな期待が寄せられる中リリースされた今作は、シーンの重要人物であるNARISK、Koshy、MoneyJah、3chらをプロデュースに迎えるなど、1st EPとは思えない完成度を誇り、ラッパーMFSを様々な側面で捉えられる内容となっている。
昨年7月にリリースされ、独特なワードセンスとGood Vibesで絶大なインパクトを残したデビューシングル「BOW」から始まり 、内に秘める覚悟と強烈なパンチラインが印象的な「VIBES」、メロウなビートに等身大のリリックが綴られている「MY SELF」など、計7曲で構成されており、彼女の底知れないポテンシャルを感じさせる。
次世代ラップ・クイーンへの階段を登っていく皮切りとなる、必聴の一枚である。

今回はリリースしたばかりの『FREAKY』に込めた想いや制作秘話、心境の変化などを訊いた。
MFSの活動の経緯などに関するインタビューはこちら。

取材・構成 Taiki Tsujimoto
アシスタント Ryo Mizuguchi, Kiriko Fukutome

新MV 「SAVAGE MODE」

0の状態から、さらけ出す


 ──『FREAKY』は自身初となるEPですが、まずアルバムの感触はどうですか?

MFS 今回は書いた曲からどんどんアルバムに入れていった感じなので、活動始めてから今までの集大成になっているな、というのが一つと、今まで発表してた「BOW」とか「FEELING」のようなトラップ系のビートだけじゃなくて、MFSとして今後やっていきたい方向性の提示もできたEPになったと思います。

 ──たしかに使用してるビートやリリック含め様々な一面をうかがえたアルバムだと思うのですが、その中に”MFS”というキャラクターの軸を感じられました。

MFS 初めてのアルバムでいろんな曲を作っていく中で成長していったので、色々模索したけど、集まったら自分の軸ができたって感じですね。自然とMFSっぽさでまとまった気がします。

 ──「ピース」や「等身大」といったMFSらしさが現れてるリリックが多かったと思いますが、それらがやはりMFSの軸になっていますか?

MFS そうですね。そこは前回のインタビューから変わってないですね。 あとは、やっぱりJOINZから受けてる影響が大きくて、みんなかっこつけるけどフェイクなかっこつけはしないし、「等身大」ってのはレペゼンJoinz Familyっていうのは出たかなと思います。
みんな色々な面を内側に持ってるとは思うんだけど、自分の核として「ピースでおりたい」ってのがあって、ピースなイベントとかでみんなに愛を感じた時とかに、そのままiPhoneにリリックをメモったりしてます。

 ──初めてのアルバム制作でしたが、トラブルなくスムーズに進みましたか?

MFS それなりにスムーズに行きました(笑)ただ、最初は曲作りに関して何もわからなくて、youtubeにあるフリーのタイプビートで曲作ろうとしてて(笑)
Joinzのメンバーにビートは買わなきゃダメだよって言われるとかはありました(笑)

 ──そういう段階から始まって、これだけ貫禄あふれるアルバムができるってのがすごいですよね。

MFS ありがとうございます。作りながら、色々な人と関わって勉強していくって感じでしたね(笑)

 ──そのような成長の過程も含めてファンや周囲に愛されていくんですかね。応援したくなるというか。

MFS そう、ありがたい事にMFSが0の状態からみんなに見てもらえたり、聴いてもらえたりしてるから、そのままをさらけ出して、どんどん成長してヤバくなっていくMFSをみてもらえたらいいなと思ってます。

 ──今回、事前に聴かせていただいて1作品目とは思えないクオリティを感じました。その裏にはやはり多くの方が関わっていたからなのかなと思うんですけど、どのようにつながっていったんですか。

MFS そうですね。環境がすごく良くてJoinzが広げていったプロップスを全力でフックアップしてくれたっていうのがあって。タイプビートで曲を作り出して半年くらいで、ビートメイカーという存在を知って、みんなが自分に合いそうなビートメイカーやスタジオに紹介してくれた感じです。
今は、作ってから時間も経って、関わってくれた人達ともっと仲良くなれてます。

 ──今後もまた一緒に作るみたいなこともあるかもしれないってことですね?

MFS そうでーす、楽しみにしといてくださーい。(笑)

 ──ラッパーの客演は無かったですけど、それは意識しましたか?

MFS featuringで入ることはたまにあるんですけど、自分が作ってる段階で誰かにお願いするという概念がなくて、気づいたら、「一人だぁ…」ってなりました(笑)

 ──客演を入れてプロップスを得ていくのが主流の時代に、自分だけのリリックで勝負するっていうのがかっこいいなと思いました。

MFS 今考えたらそうかもしれないですね笑
そういう意図があったってことにしときましょう笑


曲で堂々と提示していく


 ──EPのタイトル『FREAKY』の意味は?

MFS そのままなんだけど、タフでフリーキーにジャンルレスに音楽を捉えてMFSっぽく提示したいっていう感じです。R&Bだけじゃないトラップだけじゃない、いろんな音楽でやっていくっていう。

 ──今回アルバム制作でコロナへの意識はありましたか?

MFS 意図的にはしなかったですね。EPを作ろうと思い始めた時期に、コロナが流行ってきて、これから見えない敵と戦っていく感じになるのかなーって思って、逆に制作に没頭できたって感じっすね。周りのみんなもそんな感じだったし。

 ──まだラップを始めて1年半にも関わらず、様々なメディアに取り上げられて、先日はRed BullのRASENに出演されたりと、一気に環境が変わったと思いますが慣れましたか?

MFS 経験が全くない状態で、急に未知の世界に入ったので、最初は結構圧倒されてました。
でも色々な仕事をしていくうちにそんなに考えすぎなくていいんだって思って、今となっては本当にありがたいなって思います。

 ──振る舞いもすごく堂々としてる印象です。

MFS 最初は自分のラップの歴とかを踏まえて楽曲を出してるつもりだったけど、ふと考えるとリスナーにとってそんなの関係ないなって思うようになりました。
自分のその時のvibesは曲で堂々と提示していかないと、ビビったりしてんのバレるなって思ってます。

 ──楽曲に関して、4曲目の「VIBES」で「人を救えるのはもう音楽しか無いかもしれない」ってラインが印象的でしたが、そう思う経緯があったんですか?

MFS この曲を作ることになったきっかけが、南堀江にあるFedupという店の店長のMoneyjahさんのビートライブを聴いた時に、このビートで恥ずかしいくらい明るい曲作りたいって思ったのがあって。
フラフラしてきた自分にとって音楽が自分の居場所で、最終地点と思ってて、今まで生きてきた中で自然と救われてた部分が沢山あったから、そのままリリックにしたって感じっすね。多分コロナの時期に作ったのも自然とあって、音楽やるしかないって。

 ──「かもしれない」っていう、言いきらない所がMFSっぽくていいなと思いました。ありのままというか

MFS そうかもしれないっすね(笑)

 ──特にラスト7曲目の「MY SELF」はMFSの内面をうかがえる楽曲になってますよね。

MFS「MY SELF」は、実は一番初めに書いた曲で、一番フラットな状態でした。その頃まだ先が決まってないというか、見たい世界がなかった中で、先が見えてないもどかしさを歌ってるのと、先を歩いてる未来の自分から、曲を書いてた当時の自分に向けて「あなたらしくあるために」という思いを込めて書いた曲です。自分で自分の機嫌取るというか。

 ──リスナーへのメッセージのようにも聴こえました。

MFS 聴いてくれるみんなもそうやって先が見えてない人がいるだろうから、その人にも当てはまるんじゃないかなって思ってます。

 ──MFS的に一番思い入れのある曲はありますか?

MFS もちろん全曲聴いて欲しいんだけど、「SUMMER REWIND」かな?
「BOW」でデビューした時に沖縄にいて、沖縄が自分にとって特別な場所になって、ちょうど曲を書いてたから、これからラッパーとしてやっていくっていうvibesは感じられるかも。


2021、吸収


 ──2021年このアルバムを皮切りに飛躍の年になると思うんだけど、やりたいことはありますか?

MFS シンプルにスキルをあげたいって思って毎日過ごしてますね。
EPを初めて作って楽曲制作の過程をある程度理解してきたので、ライブだったり音楽的なスキルを全体的にあげていきたいです。あとは、ヘアだったりアートだったりそういうセンスも今年は培っていきたいなって思ってます。

 ──今後の作品は更に進化したものが見れそうですね。

MFS 2022になる時に、また新しい形でアウトプットしていきたいと思ってます。だから2021は吸収の年です。もちろん色んなに関わってもらうのはありがたいし楽しいけど、いつかは全部自分でできたら最高かなって思ってます。

 ──Drop TOKYOに掲載されるなどファッションアイコンとしても注目されてきてますが、アパレルにも興味があるみたいですね。

MFS 今回の『FREAKY』ではNADERっていうブランドと一緒に商品を作ることになって、一緒にデザインとか考えて作ったんですけど、今後はまた自分のアパレルとかも出したいと思ってるのでそっちも注目してほしいと思います。

 ──ありがとうございました。

EP info

『FREAKY』 MFS

1 BOW
2 RETAKE [prod.NARISK]
3 SAVAGE MOOD [prod.Koshy]
4 Vibes [prod.MoneyJah]
5 Feeling [prod.3ch]
6 Summer Rewind [prod.3ch]
7 MY Self [prod.NARISK]

Mastering Aru-2
Recording J Studio OSAKA

Photo ToshikiKosaka

Art Work coco

Hair BARBERIKEDA

https://mfs2020.thebase.in/items/41812474

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