Z世代メディア”Culture University TOKYO”編集部が、2020年ユースアーティストによってリリースされたアルバム(ミニアルバム、7曲以上収録EPを含む)から25作品をリリース日順で選出。C.U.T的2020年ベストアルバム25。
今年はコロナウイルスの影響で様々なライブやフェスが中止となったが、一方でストリーミングサービスが更なる成長を見せ、結果的に多くのニューフェイスが台頭した形となった。宅録や遠隔レコーディングなど、新しい音楽制作プロセスも定着した一年となった。
そんな2020年の音楽業界を彩ったZ世代アーティストによる作品をピックアップした。

表記 リリース日順
アーティスト名『アルバム名』(リリース日)

・Normcore Boys 『MEDIAGE』(2020/2/21)
お台場を拠点とする幼馴染み五人組によるHIP HOPクルー。1stアルバムとなった今作は鎮座DOPENESS,KOWICHI,Hideyoshi,starRoらが参加した。都会感満載でフレッシュなサウンドとリリックが特徴のアルバムとなっている。

・なみちえ 『毎日来日』(2020/3/13)
東京芸術大学に通う茅ヶ崎生まれのラッパー。この作品は後藤正文(ASIAN KUNG-FU GENERATION)が設立した作品賞『APPLE VINEGAR -Music Award-2020』に、自主制作盤CDとして初めてノミネートされた。

・どんぐりず 『baobab』(2020/3/22)
群馬県桐生市を拠点にする二人組ヒップホップユニット。グルービーで変幻自在のサウンドは多くの早耳を唸らせた。独特な自主制作PV が話題を呼んだことも記憶に新しい。

・Shin Sakiura『NOTE』(2020/3/25)
東京を拠点にプロデューサー、ギタリスト として様々な楽曲に携わるShin Sakiura。サードアルバムとなった今回はKan Sano, AAAMYYY, Ryohu, maco maretsらが参加した。こだわり抜かれた至高のサウンドは必聴である。

・PLANET TOKYO 『PLANET TOKYO』(2020/3/27)
Z世代の新鋭アーティストによるアートコレクティブ “PLANET TOKYO”。所属アーティストが一同に会した渾身のアルバムは様々なテイストで展開されており、一人ひとりが培ってきた異なるセンスが融合したものになっている。

・Tok10 『“10” the number of dreams』(2020/ 5/9)
現役慶大生セルフプロデュースラッパー Tok10。今作はラブソングを中心に、HIP HOPの枠に囚われないメロウでチルな楽曲が収録されている。

・藤井風 『HELP EVER HURT NEVER』(2020/5/20)
歌謡曲を軸にブラックミュージックやトラップなど様々なテイストを盛り込んだ至高の一枚。YouTubeのカバーからキャリアをスタートさせたという珍しいキャリアを持つが、今や日本を代表するアーティストとなっている。

・Vaundy 『strobo』(2020/5/27)
2019年6月からアーティスト活動をスタートさせて以降、YouTubeやサブスクを駆使し、今ではティーンエイジャーに圧倒的なを得ている。ソウル、ポップ、ヒップホップなど様々な要素を取り入れ、重厚な作品となっている。

・Laura day romance 『farewell your town』( 2020/6/10)
2017年結成の男女ツインボーカルバンドによる待望の1stアルバム。ジャパニーズポップに海外テイストを融合させたバンドサウンドで印象的な作品となっている。具体的情景と感情を巧みに織り交ぜた歌詞にも注目だ。

・VivaOla 『STRANDED』(2020/6/17)
ヒップホップやネオソウルなどの影響を受けるR &Bシンガーソングライター/プロデューサー。洗練されたトラックと、英語日本語を行き来するスタイルで、その聴き心地は抜群だ。Wes Atlasなどが所属する東京のアートコレクティブ“Solgasa”のメンバーとしても活動する。

・Sound’s Deli 『RUMBLE』(2020/7/3) (EP)
97,98年生まれ5人組によるヒップホップ・クルー。TrapとBoom-Bapのいいとこ取りの様なフレッシュなサウンドと、内容の濃い等身大のリリックが特徴の一枚。

・Mom 『21st Century Cultboi Ride a Sk8board』(2020/7/8)
3作目のフルアルバムとなった今作は、2040年の終末が迫る世界を生きる少年を主人公に据えたコンセプトアルバムとなっている。アップデートされたキャッチーなサウンドと時折感じられるフォーク感が魅力的な一枚。

・SHO-SENSEI!! 『Find me』(2020/8/3)
キャッチーなフックとありのままを表現するリリックで今注目の若手ラッパー。本作は客演にAMBR、mindboiを迎え、1opm new messageが全曲のビートを提供、PVは@sekaiseifukuyametaが担当した。

・¥ellow Bucks 『Jungle』(2020/8/21)
「ラップスター誕生」で優勝し、一躍有名になった東海のラッパー。地元へのこだわりを強く持ち、そのカリスマ性とスキルで多くのヘッズを抱える。待望のファーストアルバム。

・LEX 『LiFE』(2020/8/26)
幅広いレパートリーのフローと英語を織り交ぜたラップスタイルは多くのヘッズに衝撃を与えた。客演も非常に豪華であり、自身3作目ながら、集大成的アルバムとなっている。2021年も進化した彼が見られるだろう。

・chelmico 『maze』(2020/8/26)
RachelとMamikoによる二人組ユニット“chelmico”による3rdアルバム。「子ども」をテーマにした作品であり、1曲ごとに異なる雰囲気だが、その全てにフックがあり、自由奔放なchelmicoらしさ全開のアルバムとなっている。

・碧海祐人 『逃避行の窓』(2020/9/9)(EP)
ジャジーでメロウなサウンドと文学的歌詞が特徴の愛知県在住のシンガーソングライター。1stEPながら海外からの評価も高く、様々な人気プレイリストに選出された。

・ラブリーサマーちゃん 『THE THIRD SUMMER OF LOVE』(2020/9/16)
2013年より音楽制作を開始し、SoundCloudやTwitterなどで話題をよんだラブリーサマーちゃんによる3枚目のアルバム。様々な要素を盛り込んだ前作『LSC』とは違い、今作は90年代のUKロックを彷彿とさせるような、力強いバンドサウンドが特徴的な作品となっている。

・gato 『BAECUL』(2020/10/14)
VJがメンバーとして所属し、視覚的にもリスナーを魅了する新世代エレクトロバンド“gato“の1stアルバム。エレクトロに叙情的なメロディを掛け合わせるニュースタイルで注目を浴びた。

・ASOBOiSM 『OOTD』(2020/10/16)
valknee、田島ハルコ、なみちえ、Marukido、あっこゴリラと結成したギャルサー・Zoomgirlsの活動でも注目されるASOBOiSMの自身初のフルアルバム。サイプレス上野、関口シンゴ、なみちえ、らがフィーチャリングで参加。ラップ、歌、ギターなど彼女のマルチな才能が存分に表現されている。

・浦上想起 『音楽と密談』(2020/10/23)
一人多重録音/打ち込みソロユニットとして活動するマルチミュージシャンによるミニアルバム。数々の著名音楽家から称賛を受けるなど、様々なシーンに刺激を与えた作品となっている。

・(sic)boy, KM 『CHAOS TAPE』(2020/10/28)
ロックをルーツに持ち、ヒップホップとロックの融合させるスタイルで頭角を現したsicboyと、現在の日本のヒップホップシーンに欠かせないトラックメーカー兼プロデューサーのKMによる共作。作品名通り、カオスな面を持ちつつ全ての曲に統一した刺激的な雰囲気が特徴の作品である。

・yonawo 『明日は当然こないでしょ』(2020/11/11)
福岡発新世代ネオ・ソウル・バンド“yonawo“による1stフルアルバム。グルービーなサウンドの中に確かなロックンロールを感じられる。一曲一曲が粒揃いであるが、アルバムとしての完成度も際立つ作品である。

・君島大空 『縫層』(2020/11/11)(EP)
枠に囚われないフレキシブルなサウンドと聴くものを魅了する繊細な歌声で注目の95年生まれのアーティスト。様々な方面への楽曲提供と弾き語りライブで身につけた実力で今大注目の存在である。彼を支持するミュージシャンも多数いる。

・羊文学 『POWERS』(2020/12/9)
2016年フジロックROOKIE A GO-GOで話題を呼んだ、彼女らのメジャーデビューアルバム。温かみのある言葉と巧みなギターワークが特徴で、完成度の高さから、メジャーデビュー一作目とは思えない貫禄を感じる。聴き終えた後に優しく背中を押されたような感覚になるだろう。
Apple Musicオフィシャルキュレーター『THE MAGAZINE』で、Culture University TOKYOがピックアップ&キュレーションするプレイリスト 『CUT Tokyo』が展開中。
【NEWS】Apple Musicオフィシャルキュレーターとして『THE MAGAZINE』が展開するプレイリストシリーズに新たに 『CUT Tokyo』がスタート
構成 Taiki Tsujimoto