【PERSONAL FILE】Singer Akari Dritschler from FAITH 「自分らしさ」を持って世界へ

インタビュー Akari Dritschler (アカリ ドリチェラー)
地元長野で結成しインディーズ時代から注目され、2020年1月にメジャーデビューしたばかりの平均年齢20歳グローバルポップバンド”FAITH“。世界基準でボーダレスなサウンドと全曲英詞という世界を意識したこのバンドは、早くも日本のみならず世界中から注目を集めている。今回はボーカルとして、作詞も手掛けるAkari Dritschlerにインタビューを敢行した。
バンド活動の経緯から影響、将来の展望、カルチャーの捉え方など、彼女の内面に迫った。


長野から世界へ


 ──まずは自己紹介と現在の活動について教えてください。

Akari Akari Dritschler(アカリ ドリチュラー)です。20歳でFAITHというバンドのボーカルをやっています。

 ──バンド活動に至るまでの経緯を教えてください。

Akari FAITHのメンバー全員育ちは長野県の伊那市周辺なんですけど、小さい頃私はピアノをやっていた母の影響で歌を習ったり、クラシック音楽をやっていて。そこから高校に上がる前のタイミングで今のメンバーの3人がお兄ちゃんの影響でバンドを始めていてそれがFAITHの原形になったんですよね。メンバーの中に私含めてハーフが3人いるんですけど、彼らとは幼馴染で元々知っていたっていうこともあって「Akari歌えるじゃん!バンドやらない?」って誘われて。ベースの藤子もお兄ちゃんがベースをやってるから藤子はベースやりなよ!みたいな感じで今の5人が集まったんですよね。

──クラシックをやってた時期からバンドを始めることになって、聴く音楽も変わりましたか?

Akari そうですね。クラシックだけじゃなくてポップとかロック系というか、バンド音楽も聴くようになって、どんどんそういうカルチャーに入っていくようになりました。ただ、もともと洋楽はものすごく好きで。父親がアメリカ人というのもあって結構昔から家で聴く音楽も英語ばっかりだったり、小学校の頃からテイラー・スウィフトがずっと好きだったり、歌うシーンが多いディズニーチャンネルを見て育っているのでそういうのを聞いて「あ、すごくいいな」って感じていて。なのでバンドを始める時も当たり前に英語で歌詞を書き始めましたね。

 ──地元の幼馴染とバンドをやられているということで、やはり通じ合っているものはあるのでしょうか?

Akari そうですね。5人でバンドを結成して6年目で、最初の頃はちょっと気を使うというか距離はありながらやってたんですけど最近はもう全然みんな仲良く、わちゃわちゃやってますね(笑)

 ──地元のノリみたいな?(笑)

Akari そうですね。昔から知ってるから思い出話とかも楽しいし、みんなで一緒に東京に出てきて思いが一緒と言うか、環境が同じなのでやりやすいですね。

 ──バンドとして様々なテイストの曲を持っているのがFAITHの特徴に感じているのですが、曲作りは皆さんでやられているそうですね。

Akari そうですね。私がアコギを使ったりボイスメモだけで歌をメンバーに送って曲を作ってもらったりとか、ギターの2人が中心となってアレンジをやってるんですけどこういうリフがあるよとかこういう曲作ったんだけどいけるかな?とかメンバーに案を投げて、その素をみんなでこねくり回してく、みたいな感じで曲作りをしてます。

FAITH-Headphones

 ──詞はAkariさんが書かれていますよね。作詞に関して意識していることはありますか?

Akari 私フィクションがうまく書けなくて。想像つかん!みたいな(笑)
なので実話と言うか、私の身の回りに起こったこととか自分自身に起こったことをメインに、それを題材にして書くことが多いので、歌詞にリアルさが生まれるように、それで聴いてくれた人に共感を得てもらえるように、というところは意識して書いてますね。

 ──全曲英詞という形ですが日本で活動する中での難しさや葛藤はありますか?

Akari そうですね、やっぱりぱっと一回聴いただけだと伝わりづらかったりする部分が多いのでミュージックビデオだったりCDを出す時には必ず歌詞の対訳、意訳をつけるようにしていて。
ただ、最近海外から聞いてくれる方がすごい増えてくれているのでその人たちにもより伝わりやすくなってほしいなと思っていて。どっちの層にも刺さるようにするためのバランスがすごい難しいなと思うんですけど、やっぱり意訳を読んでくれる人が増えたらいいなと思っています。

 ──英語詞の方がAkariさんの感情を出しやすいのでしょうか?

Akari そうですね。英語の表現が好きで。
直接的には言ってないんだけど実はこういう意味があるみたいな比喩表現がすごく素敵だなと思っているので、歌詞を書くってなると英語の方がパッと言葉が出てくるので英語で書いていますね。

 ──曲調としても90年代の海外のテイストが感じられたり、世界のメインストリームに近い音楽をやっていらっしゃると思うんですけど、世界への意識はやはりありますか?

Akari そうですね。今最先端で何が流行っているのかとか人気がある音楽を常に探して聴くようにはしていて。メンバーみんな、新しいのを探してきてこれめっちゃいいよってお互い聴かせ合ったりとかそういうことをして、メインストリームに寄せつつそれを越えられるような新しいものを自分たちで生み出していけるように意識していますね。

 ──10/7に新曲「Irony」がリリースされました。この曲のコンセプトや伝えたいメッセージなどはありますか。

Akari 新曲の”Irony”は曲全体を通して自分への皮肉を歌ってる曲です。自分が決めたこと、こうしたほうがいいってわかってるけどそうできない自分の弱さだったりとか流されてしまうところに苛立ちを感じていてそれをわかってるんだけどっていうところで止まっている。
自分自身に皮肉を言うというか歌うことでその先の自分への変化を期待するという曲ですね。決めたことをうまくやれないとか思ってる時に聴くと刺さるかなと思うんですけどそれをきっかけに自分を変えていきたいなっていう思いで自分自身に歌う感じで作った曲ですね。


「自分自身をまず受け入れる」


 ──人生の転機となった出来事はありますか?

Akari 高校1年生の終わりに地元長野で高校生だったらみんなが憧れるようなイベントがあったんですけど、それにオープニングアクトみたいな感じで出してもらえることになって。その時に当時ツアーできていた東京のバンドが私たちのライブを見てすごい褒めてくれて、今の事務所の人に話をしてくれたんですよね。そしたらその一か月後ぐらい、高校2年生の最初に上諏訪でやったライブに今のマネージャーとなった人が見に来てくれて。なにか一緒にやらないかって話をしてくれたんですよね。このことがきっかけで本当に音楽を仕事として、この先も高校卒業してからもやっていくのかなって考え始めたのですごく転機だと思います。
あとは未確認フェスティバルっていう10代限定のイベントでファイナルに進出したことも。元々メンバーの女子二人は別でもやりたいことがあったりとか、バンドをずーっと高校卒業しても続けていくとあんまり本気で思っていなくて。別のこともやるんだろうなみたいな感じに思っていたんですけど、ファイナルに進出したけど賞は取れなかったことがすごくみんな悔しくて。それで「やるぞ」ってなってから上京を決意したので、これも転機の一つですね。

──高校生の時に自分のキャリアを決めるという大きな決断をされていますが、そこに対する不安や葛藤などはありましたか?

Akari もともと進学するっていう選択肢は私はなくって。学校があんまり得意ではないので(笑)。高校卒業したら学校は行かないけど芸能関係の仕事がしたいなって思っていたので、バンドに限らず何でもやれたらいいなって思ってて。ただ、バンドをメインとしてやるとは最初は思ってなかったです。

 ──活動の中で軸としている価値観や考え方はありますか?

Akari 自分らしさを大事にしていきたいなと思っています。ただやっぱり私の性格なのかもしれないんですけど、人前に出る活動とかたくさんの人と関わる仕事をしていると自分らしさみたいなのがいまいちわかんなくなってきちゃって「私とは?」みたいな感じになることが結構多いんです。
仕事の中でアドバイスとか意見を人からもらうことも多いのでそういうのを全部反映しようとするとわけわからなくなっちゃうし、だからといって自分らしさがこれといってはっきり無いから流されやすくて影響もされやすかったりするので、すごく悩むことが多いんです。でもやっぱり歌詞を書いて、歌って人に伝えていくっていう事をやっているので、これからですけど、何か私自身がぶれないような「自分らしさ」を見つけて確立して行きたいと思っています。

 ──Akariさんにとっての理想の「自分らしさ」とはなんでしょうか。

Akari 何だろう。人に希望を与えられる人になりたいですね。どんな性格でもどんな見た目でも絶対に受け入れてくれる人がいて自分らしさを100%で出せて、自分であれる場所が絶対あるよっていうのを証明したいなと思っていて。
だからこそ自分が居場所ないって感じたらだめなので私自身も居場所を見つけられるようにしていきたいし、それを見た人がじゃあ私も大丈夫だって思えるような人になりたいと思ってます。

 ──居場所についてそういうふうに思うことになった出来事があったのですか?

Akari なんかこれといったことはちょっとありすぎて説明が難しいんですけど、結構頻繁に自分はここにいないほうがいいのかもしれないとか私にはもしかしたら合ってないのかもしれないとか思うタイミングが多くて。で、そういうのって思ったら気分も落ち込んじゃうから良くないなと思いつつ良くないって思うと余計に気になっていっちゃうことがあって。
でもそれってもしかしたら私だけじゃなくてそういう風に思ってる人ってたくさんいるんじゃないかなって思うようになって。自分の見た目が気に入らないとか体型が嫌だとか、それをコンプレックスに感じると周りの目もそういう風に思えてきちゃうんですよね。
自分が部屋に入っただけで皆がすごい怖い目で見てるとかそういう風に感じちゃうのでそういうのをなくしてきたくって。
とりあえず自分自身がそう思わないようになりたいなと思っていて、自分を認める力というか自分自身をまず受け入れるところから始めて、人にそれを伝えて。そうすることで私がまず最初にその人を受け入れるって言うことができるようになるんじゃないかなと思っています。

 ──ステージ上では自分を認められたりするのでしょうか?

Akari そうですね。歌ってる時は何も考えずにできるので。本当にやばかった時は何かお客さんの目も怖かったですけど(笑)。
でもそういうのは最近は全然なくなってきて、歌ってる時が一番楽しい時間になってます。


個人としても影響力のある存在へ


 ──影響を受けた人はいますか?

Akari さっきもお話ししたテイラー・スウィフトが個人のアーティストとしては衝撃を受けた人で。彼女は曲も歌詞も自分で書いていて。人が書いた曲じゃなくて自分の言葉で歌っているところとか、歌詞がものすごい素敵なのでいつも共感してワァーってなってます(笑) 。あとはドキュメンタリーとかで感じる人柄の部分も素敵です。
テイラーきっかけで色んな海外のアーティストを聴くようになったりしているんですけど、やっぱりソロでやってる方達が本当にすごいなと思っていて。一人であれだけの存在感を出せてものすごく大きく見えるので、大体そういう人たちみんな人間性も本当に素敵だろうななんて思うので、そういう人たちを見て私も頑張ろうって思えています。

 ──バンドとしてもやっていく一方で、個人としてもいい影響を与えられるような存在になっていきたいのでしょうか?

Akari そうですね。Akari Dritschlerとして、一アーティストとして影響力のある、人に憧れられるような存在になりたいなと思ってます。

 ──そんな中で、ソロではなくバンドで活動する良さを教えてください。

Akari 1月にメジャーデビューしたんですけど、それからソロアーティストの方とか一人で弾き語りとかでやってる方と一緒になる機会が多くて。お話しさせてもらうと、いつも一人でやってるから寂しいけどFAITHは5人もいるから毎日楽しそうでいいねみたいによく言われるんですよね。
確かにそれは感じてて。みんなで楽しく話せることとか一緒にやってくれる人がいること、それも同い年ですごい近い立場でっていう環境はバンドのすごいいいところだなって思います。

 ──将来の展望について、Akariさん個人とバンドとしての2点から教えてください。

Akari 私個人としてはこれからも音楽はずっとやっていきたいし歌うことも曲を作ることも大好きなのでそれはずっとやっていきたいなと思っていて。芸能関係で別のジャンルのこと、お芝居とかモデルとかそういうのにもどんどん踏み込んでいけたらいいなって思っています。
バンドとしてはやっぱりバンド自体を大きくするのが目標なので海外のフェスに出ることだったりとか海外ツアーも夢だなと思っていて、そこまで、そこまでというかそれ以上に行けたらいいなと思っています。

 ──10月16日にはワンマンライブがオンラインで開催されますが、そこでの目標はありますか?

Akari やっぱり今は配信ライブが多くなっている状況ではあるので、いかに私たちの音楽を伝えるかというのとやっぱ配信となると、昔から知ってくれてた人とかライブに来てくれていた人が見てくれるのも多いんだろうなって思っていて。
新しいお客さんを直接ライブで増やすのがちょっと難しい状況だからこそ、新規の人にも見てもらえるような工夫というか、ただのライブの再現じゃなくて映画っぽさとか画面上で見るのに適したいい見せ方をできたらいいなと。どんどん新しい人にも映画やドラマ見る感覚で見てもらえたらなって思ってます。

 ──オンラインライブに参加する皆さんにメッセージをお願いします

Akari 私たちのライブはメンバー同士の絡みだったり、仲の良さというかハッピーな雰囲気をお客さんにも伝えるって言うのがメインで。私達もそういう気持ちでやっているので、ちょっとでも落ち込んでたりとか気分が沈んでる時に曲を聴いたり配信ライブを見てもらえたら元気が出るんじゃないかなと思います。もちろん落ち込んでなくても、さらに気分を上げたいときにも見て欲しいなと思います(笑)。

オンラインライブに関してはFAITH 公式HPより。
https://www.office-augusta.com/faith/

 ──Culture University TOKYOは、 誰しも持っている「かっこいい」や「憧れ」の価値基準である、“イケてる”を追求していくというテーマを持っています。Akariさんにとって“イケてる”とは?

Akari さっきの話とも繋がるんですけど、「自分らしさ」を確立している人はすごいかっこいいなと思っていて。ファッションだったり性格だったり髪型とかもそうですけど、これが私ですみたいな。
自分を100%体現できてる人ってすごくかっこいいなと思うので、自分ももちろんそこを目指していきたいです。東京に出てきてから原宿表参道とか歩いていると、特にそういう人が多いと思うんですよね。だからそういう人を見て落ち込むんじゃなくて自分もそうなろうみたいな感じで考えるようにしています。

 ──Akariさんにとってカルチャーとは。

Akari カルチャーはその人自身が作っていくものだと思います。十人十色と同じような感じで、その人がいればその人のカルチャーができていくと思ってて。FAITHはFAITHでカルチャーがあり、私は私でAkariとしてのカルチャーができていくんじゃないかなって思っています。

 ──ありがとうございました。

インタビュー時、落ち着いた彼女から紡がれる言葉は確かな覚悟と強い意志が込められているように感じた。
今後、東京という地でさらに洗練され、バンドとしても個人としてもさらなる活躍をしていくだろう。若くして世界を意識して活動する”FAITH”が、世界中のフェスなどで演奏している姿が容易に想像できる。バンドと彼女の今後の活動に注目していきたい。

取材、構成 Taiki Tsujimoto
撮影 Shotaro Charlie Ohno, Shun Kawahara

FAITH Information

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