【PERSONAL FILE】プリプリマルチクリエイター Lily Spacey 溢れ出るエナジーに素直に向き合う

独特な世界観で、楽曲、イラスト、ダンスなど様々な作品を生み出す、Lily Spacey。「プリプリマルチクリエイター」と称し活動する彼女が、アーティストとしての活動、転機、影響、自分が目指す立ち位置などについて語ってくれた。

Lily Spacey(妖精ハム子)「くまがおちた」MV

溢れだすプリプリなエナジー


 ──現在の活動を教えてください

Lily プリプリマルチクリエイターとして活動しています!歌やダンス、絵、アニメーションなど色々です!何が中心というものはなく、その時々に作りたいものに対してちょうどいい媒体で作ります!!

 ──発信するにあたって、共通するテーマはありますか?

Lily プリプリでいくぞーっていう形!あと、自分の中から溢れ出るエナジーのマグマが100%になったらやるぞって感じです!

 ──プリプリってどんな感じですか?

Lily ピュアピュア純度100パーセントなエナジーってことです!
生きてると色々邪念とかあるじゃないですか、でも他人の目とか評価とかそういう邪念はバイバイって感じで、自分のやりたい気持ちを優先している人はプリプリだと感じます!

 ──どんな時に作品を作りますか?

Lily 道歩いていて、お!って思うときに、物語やメッセージがビョンってきて、なんかいい感じかもーって思ったらiPhoneのメモにアイディアをメモしてます。なんか作りたいって思ったときに、そのメモを見て作品を作ることが多いです!

 ──インスタグラムとか見てても世界観が面白いなと思うんですけど、プリプリはやっぱり意識してますか?

Lily はい!「なんかいい感じ!」っていう感覚を大事にしています。色々感じているはずなのに、言葉にすることでたくさんの感情が溢れ落ちちゃうのは悲しいから、考えすぎずに「なんかいい感じ!」と思ったらGO!って感じです!歌も絵も。

 ──どんな風に活動をしてきたんですか?

Lily 高校までは青森にいたんですけどそのころは何も表現活動をやってなくて、大学に入ってからいろいろはじめました!
大学にはクオリティに関わらず自由にものづくりをしてる人がすごく多くて、私も作っていいんだって思いました。作品としてイラストとかを描き始めて、発信してってのが始まって、ヒールダンスも初めてスクールとかにも通い始めて。
友達が主催してたイベントにダンサーとして出演させてもらう機会があったんですが、ライブの2日前くらいに「歌をつくって歌ってみたい!」と思って、2日かけて歌を作って、ライブで歌いました。ちょー楽しーってなって、今も歌作ってます!
周りに影響されて、ピョーンみたいな感じが多いです!

 ──大学の環境がそうさせたということ?

Lily 思い出した!高校からエナジーって感じはあったんです!でもどう表現すればいいかわかんなくて。はけ口がわかんなくて色々やってもがいてて悶々としていたんですけど、大学でエナジーの放出の方法がみつかったって感じです!

 ──高校ではどんなことやってましたか?

Lily 「おにぎりにぎろう」っていうプロジェクトを高2で立ち上げて、「武器を握るならおにぎりにぎれ!」っていうテーマで(笑)
マレーシアに行って都市とその周りの格差にオーマイガーってなって、高校生外交官としてアメリカ行った時はもう食べ物がありすぎて、世界の食糧のバランスおかしいー!って思って。日本帰ってきてTシャツ作ろーってなって「おにぎりにぎろう」っていうTシャツ作って売りました。
ファストフードとしてのおにぎりカルチャー、ヘルシーな日本食のカルチャーを肥満の問題があるアメリカにTシャツの販売を通して広めるとともにに、その収益で貧困で苦しんでる人になんかできたらいいなと思って。とにかく世界に向けてなんかのアクションを起こしたかったんです。

 ──天真爛漫な雰囲気の印象ですけど、すごく考えられてることは多いように感じます!

Lily 本当ですか!?エナジーでいくぞって感じです!

 ──人生の転機になった出来事はありますか?

Lily 大学に入ってすぐに、へぼコンっていうコンテストがあって、自分でロボットを作ってロボット同士で押し合って競い合う大会でした。大学の先輩が出てみなよーって言ってくれて、難しいなと思ったけど結局出ることにしました。大会前日に百均とか行って、動きもしない車と粘土とかで気持ちで作ったんですよ。
でも自分のロボットがあまりにもしょぼすぎて恥ずかしくて行けないなって思って、大会当日、会場に行かずスーパーでメロンパンを食べていたら主催者から電話がきて、「大丈夫ですよ、今集まっているロボットたちも本当にへぼいです。しょぼくてもいいんで出てください!」って言われて。試合では案の定すぐ負けたんですけど、「モストヘボ賞」ってのに選ばれて、、最もヘボいロボットに選ばれました。ロボットの条件すら満たしていなかったので。
ヘボでいいんだ、ヘボでいた方がいいのか!って思いました。
ちゃんとした作品じゃなきゃ認められない、ましてや出してはいけないという概念がその時変わったのかなと思います。


自分自身のプリプリを発信


 ──フライデーのグラビア写真の経緯は?

Lily 友達が声をかけてくれました。最初はちょっとためらいもあったんですが、なんでも機会があったらジャンプインしたいのでトライしました!私は、「鼻は高い方がいい、髪はサラサラの方がいい」みたいな美のスタンダードにフィットしようとすることに女の子のエナジーが消耗されてることが悲しくて。「あなたはそのままのプリプリにエナジーを使ってくれー!」っていうメッセージを発信したかった!だから私は青髪のまま出たり、全然細くないんだけどそれでもいいじゃんみたいな。

 ──社会に対して発信したいことはありますか?

Lily なんか、自分の体感を全肯定していいんだってことです!ステレオタイプ、基準、正解が漂ってても気にしないでいいんだよ、自分を信じていいんだよって!

 ──ある意味インフルエンサーでありたいということですか?

Lily 自分がいくぞーって先頭に立ってやるぞーっていう感じというか、草原の真ん中で私がなんかダンスしているのをみて、あの人ちょっと変だけどーでもいい感じ!やってみよ!ってなりたいなーって。なんか楽しー!って感じになりたい!

 ──そうなると、自分の作品は多くの人に届いて欲しいですか?

Lily それは多くのクリエイターの悩みだと思うんですけど、自分にとって意味あるものを作りたい、興味関心を探究したいという気持ちもあります。その一方で、評価される軸がインターネット上にあって、数字でフィードバックされるとどうしてもより評価されたいっていう気持ちがあって。それは無視できないし、評価されて大きく広まった方が人が集まったり機会が回ってきたりするので、より大きなことをできるぞーと。でもやっぱり自分のために作りたい!自分の軸はブレしたくない!

 ──今後の展望を教えてください!

Lily 自分の世界観をもっと世界に伝えたい!アイディアが浮かび上がってきて、それを作品で具現化したいという気持ちが非常に強いです。ビョンってくるものをキャッチしたくて、それを無視したくない。
成長するにつれて自分の内なる声を無視しがちだから、そうならないように精神状態と環境は整えたいし、自分の世界観をより忠実に再現できるように人とかお金とかチャンスとかをキャッチして表現していきたい。

 ──同世代の人は意識しますか?

Lily します!ジェイデン・スミスが大好きです!自分の世界観が強くあるなと思うし、演技も素晴らしいし、歌とか声優とか「JUST WATER」などで社会活動もしていて。自分の知名度を生かして社会に貢献しているのも尊敬します。「JUST WATER」はおしゃれなパッケージで社会問題とか全く意識してない若者もインスタにあげたりするってことはその人達ももう巻き込まれてるってことになるじゃん。すごいよね、実行してるのがすごい!Just do it!って感じです。


カルチャーとは、積み重ね


 ──あなたにとって、カルチャーとは

Lily 昔は人々の間でジリジリ時間をかけて広まって、定着して次の世代にも受け継がれて、みたいなものがカルチャーだったのかな、と思うんです。でも今はSNSによって情報は一瞬で広く伝わって、日々トレンドが変わって超流動的で、情報量もめちゃ多くて。みんなが広く浅く情報を得る中で今までの「カルチャー」って生まれるのかな?って。でも高速で変化するインターネットの中にもインターネットカルチャーがあって、常に揺れ動く中にもたしかに積み重ねられているものがあるのをみると、昔のようなカルチャーが生まれるのは難しくてもファストフードみたいな「ファストカルチャー」はこれから生まれていくんだと思う!その人が何気なく選んで食べたハンバーガーがその人の体を構成するように、私も何気なく作品をみてもらって、その人の細胞の1ピースになって、その人の生命の維持にちょっとでも貢献することはできるのかも??プリプリな細胞になりたいな!

 ──ありがとうございました。

取材 Taiki Tsujimoto
構成 Tsukasa Yorozuya

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