【PERSONAL FILE】Skater Satoshi Suzuki スケートボードと共に積み上げた自分のスタイル

Satoshi Suzuki instagramアカウント

日本初のストリートブランド、Lafayetteのスケーターチームに所属するなど様々なスポンサーによってサポートを受けている若きスケーター Satoshi Suzuki。オリンピックの競技になるなど近年注目されているが、そのカルチャーとしての形はユニークなものである。彼が考えるスケートボードの魅力とは。

Satoshi Suzuki Interview Teaser

スケボーに出会って、全部もらった


 ──よろしくお願いします。まずは簡単に自己紹介をお願いします。

Satoshi 神奈川県茅ヶ崎市生まれ、22歳です。スケボー中心に活動してて、LafayettechuulipACE TRUCKSparadox gripにスポンサーとしてサポートしてもらってます。あとはBLAKK PINEという地元のクルーで活動しています。

 ──具体的にはどんな活動をしていますか?

Satosh Lafayetteは服のプローモーションビデオ、写真、あとはたまにイベントいったりとかですね。chuulipは日本のデッキカンパニーで、映像撮影を中心的に活動してます。トリックも映像でやる感じで。BLAKK PINEは、地元湘南のスケーター、ダンサー、ラッパー、グラフィティライターとかが集まって活動していて、かっこよくいうとアーティスト集団です。

 ──BLAKK PINEではイベント開いたり?

Satoshi そうですね。ビデオもそうですし、アパレルラインもやってます。イベントも計画中です。

BLACK PINE コーチジャケット

 ──スポンサーはどういう経緯で?

Satoshi ファーストスポンサーがLafayetteで、自分の映像を仲間たちに撮ってもらってLafayetteに持っていき、現在のチームメイトからの押しもあってサポートしてもらうことになりました。

 ──売り込みみたいな感じですよね?

Satoshi そうですね、で気に入ってもらって、そっから色々な繋がりでサポートしてもらってます。
 
 ──スケートボードを始めたきっかけは?

Satoshi 12歳の時に四個上の兄が幼なじみと一緒にスケボーを買ってきて、それに乗らせてもらったのがきっかけっすね。ちょっと練習して乗れるようになって、どこいくにも乗っていくようになって。それまでやってきたものの中で1番ハマったっすね。

 ──スケボーに出会うまでは何かやっていたんですか?

Satoshi 小学校の5年間野球やってて、1年間バスケで、3ヶ月だけ陸上やってあとはスケボーです笑
高校は夜の学校いってたんですけど昼はバイトかスケートして、夜は学校みたいな感じです。

 ──スケボーの魅力は?

Satoshi ひとりひとり全員違うところですね。一つの技でもそれぞれスタイルがあって全員違うみたいな所が好きですね、最初はそれに気付いてなかったんですけど。スケボーやる人は変わった人が多くて、奇抜な人もいれば、一見やってな さそう人もいる。変わった人が多いのがおもしろいですね。
あとは、ルールとかがほとんどない自由なところがスケボーの好きなところです。

 ──ハマっていくなかで影響を受けた人は?

Satoshi スケーターだとMike mobobby de keyzerChatty chattという人です。スタイルがかっよくて惹かれたって感じです。あとは地元の世代が上の人で、チャッティーチャッティーっていうクルーがあって。始めたての頃くらいに出たその人たちのチャッティーチャッティー4っていうスケートビデオを生まれて初めて買って、「超かっけー!」みたいになって、影響受けましたね。
楽しそうにスケボーしてて、しかもかっこよくてうまいみたいな。

 ──人生の転機になった出来事、出会いはなんですか?

Satoshi それこそやっぱりスケボーなんですけど、笑
今あるもの、友達とか仲間とか生活っていうのは、スケボーが無かったらもう今何も無い気がするんで。スケボーに出会って、全部もらったって感じです。
あとは、LAとサンフランシスコに17歳の時1ヶ月、スケボーしに行ったんですけど、その時に最初の3日間しかホテル取ってなくて(笑)
その3日間で泊まる場所みつけなきゃ!ってなって。その時に行ってたのがsoma skateparkっていうところで、そこで1人目に会った人に片言の英語でどっか泊まれるとこない?みたいに聞いて笑

 ──いきなり?笑

Satoshi そう、いきなり笑
そしたらそいつが、「俺んちこいよ!」みたいにいってくれて。そいつはマサイっていうんですけど、日本人とドイツ人のハーフだったんです。それでマサイの家に行ってマサイのお母さんと話したら、親戚が茅ヶ崎に住んでるらしくて、すんげー奇跡!みたいな笑 それで、泊めてもらってマサイがいつもやってる遊びをやって。朝から晩までスケボーやって、夜はグラフィティ描きに行くっていう。そういうのも含めて、常にカルチャーショックを受けましたね。

 ──やっぱり日本とアメリカは全然違いますか?

Satoshi 全然違いましたね。環境とかもそうなんですけど、何より周りの目が違いました。日本より認められてる感じがします。しっかり根付いてる感じがしましたね。スケーター自身の目つきも違うというか、本気でやってる感が伝わってきましたね。こんな場所でも滑っちゃうんだみたいなこともありましたね。

 ──日本だとやっぱりまだまだ不良文化というか、受け入れられていないですよね?

Satoshi そうですね、根付いて欲しいです。


スタイルへのこだわり


──大切にしてる価値観はありますか?

Satoshi 物とか人を見る視点を大切にしてます。誰が何をいっていたかっていうのより、まず自分のアングルで見るっていうのを意識してます。それこそアメリカに足を運んで見に行くとか。良いところを吸収できたらなと。スケボーに関しては、自分のこだわりを誰になに言われても貫くっていうのは意識してるっすね。やりたいトリックとかもですけど。あと、練習はめっちゃします。めっちゃするんですけど、やりすぎもよくないと思ってます。遊びっていうことも考えて、やっぱり楽しまないと続かないと思うんで。

 ──自分のアングルで人とか物を見る時どういうところにグッとくる?

Satoshi その人しか持ってないオリジリティを感じるものは好きですね。

 ──遊びという意味では、スケボーが最近競技化されてますがそのことについては?

Satoshi それは、めっちゃいいと思います。それで周りの目が変わってきたりもすると思います。スケートパークも増えるだろうし、ストリートで乗ってても「そこでのんなー」ってならなくなるかもしれないし。目指すところの違いはあるから、おれは目指してなくても、結果として良いことはあると思います。

 ──スケボーを通した人生の学びってありますか?

Satoshi やってみれば、出来なくても、何かわかることがあるということですね。
あと趣味でビートメイクとかグラフィティしてるんですけど、固定概念に囚われないみたいなのはスケボーの自由さからインスピレーション受けたりしてます。

──具体的に、ご自身のスケートのスタイルはどういうところにみえると思いますか?

Satoshi テクニックを入れつつも場所にあった雰囲気のトリックをしたり、プッシュ何回するとか、ここはノープッシュで行きたいとか。ほんと細かいこだわりです笑

 ──場所によって変わることもあるんですね。インスタグラムを拝見しましたが色々な場所でですべってますね。

Satoshi そうですね。湘南エリアだけじゃなくて都内も行くし、ツアーとかで地方に行くこともあります。

 ──今後の展望は?

Satoshi 軸はスケートボードなんで、そこは変えずにいきたいです。趣味でやってる動画編集、グラフィティ、アパレルとかそういうのも色々できたら良いなと思ってます。
あとはやっぱ、プロになりたいですね。個人にスポンサーがついて、そこから自分のモデルのスケボーが出ることが夢です。
1番大きな夢は、さっきいったMike mooと一緒に滑って、超えることです。

 ──他のカルチャーへの関心

Satoshi 特に好きな分野は日本食です。笑
日本食はすごいなーと思います。細かくて、とにかく繊細なところが好きです。
あと音楽ももちろん好きです。色々聞くんですけど、ozroのMacchoには毎日食らってますね。

 ──あなたにとってカルチャーとは。

Satoshi どんなカルチャーでもそうだと思うんですけど、誰かの小さな活動が積み重なって長い時間かけて認識されていって後世に受け継がれていく物だと思ってます。

 ──ありがとうございました。

茅ヶ崎の海をバックに行われた取材は、終始和やかな雰囲気で行われた。茅ヶ崎で育ち、アメリカに渡り、様々な影響を受けて来た彼の視野は広く、大きな目標へと着実に進んでいると感じた。確固たるスタイルを持った彼のスケートボードが世界中で通用することを心から願う。

取材・構成 Taiki Tsujimoto

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